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ウイルスや細菌などの病原体が感染しても、必ずしも感染症の症状が現れるとは限りません。
自分や他人から見て、はっきりと症状が現れている状態を顕性の感染といいます。
これに対して、症状が出ない感染を不顕性の感染と呼んでいます。

顕性の感染は病原体の毒性が強い場合や、体の抵抗力が弱い場合に起こります。
逆に不顕性の感染は、免疫力が毒の強さを上回っているときに起こると考えられます。
病原体の立場から見ると、毒性が強すぎて宿主を殺してしまっては、それ以上繁殖できないので生存戦略上不利になります。
ですから特に慢性の感染症では、毒が弱くなり不顕性になることが多いと言われています。
不顕性の感染でも、抗体反応が陽性を示すことから感染を確認できます。

感染症で問題になるのは、不顕性感染者からウイルスや細菌が拡散される危険性です。
症状が出ていなくても、病原体を体内に持っている人のことをキャリアと呼びます。
不顕性感染症のキャリアは自覚症状がないため、人混みに出掛けて病原体を撒き散らす可能性が大きくなります。
その人にとっては毒性が弱くても、免疫力の低い小児や高齢者が感染すると、重い症状を発症することがあるため、注意しなければなりません。
インフルエンザやノロウイルスなどの感染症は、特別な心当たりがなくても感染する危険があります。
流行する季節には手洗いや消毒を心がけ、厳しい衛生管理を行なうことが、感染のリスクを減らす重要な手段となります。
またエイズをはじめとする性病についても、相手がキャリアと分かってからでは手遅れになりかねません。
コンドームなどを適切に使用し、不特定多数との危険な性行為をできるだけ避ける配慮が必要です。